田中親美と尾上柴舟 展
10月20―25日 アートサロン毎日で
平安王朝美の再現者――「田中親美と尾上柴舟」展が10月20日から、東京・竹橋のアートサロン毎日で開かれます。アートギャラリー花守の主催。
田中親美(1875-1975)は、国宝など後世に伝えるべき美術品の模写・模造に力を注いだ美術家です。財界に広い人脈を持ち、厳島神社の国宝「平家納経」の副本(模本)製作など国家的プロジェクトにも関わりました。
本展では、田中親美の仕事を立体的に紹介します。その一つが、西本願寺が所蔵する「西本願寺本三十六人歌集」のうち、1933(昭和8)年に手がけた「伊勢集」「貫之集・下」の副本製作。もともと冊子本だったこの二つは1ページずつ断簡され、分散していきました。大学設立の資金をねん出するためでした。断簡されたものをまとめて「石山切」と言いますが、親美が作った副本により、もとあった姿を知ることができます。
厳島神社の依頼による国宝「平家納経」副本製作プロジェクト(手がけたのは田中親美)の資金集めなどを記した「平家納経副本奉納文」からは、往時の財界人の日本文化に対する造詣と文化財保護への熱意をうかがうことができます。実業家で茶人だった高橋義雄(箒庵=そうあん)が文を作り、同じく財界重鎮の益田孝(鈍翁=どんのう)が筆を執りました。
このほか、田中親美が親交のあった団琢磨に贈った料紙や、親美が手がけた料紙に尾上柴舟が和歌を書いた作品、鈍翁が自らの姿を描き、賛を入れた作品などが展示されます。
▌会 期 2025年10月20日(月)-25日(土) 11:00-18:00(最終日は15:00まで)
▌会 場 アートサロン毎日(毎日新聞東京本社1階 地下鉄東西線「竹橋駅」直結)
▌入場料 無料
▌主 催 アートギャラリー花守 https://hanamori.sakura.ne.jp/
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